この度のロンドン旅行はウィンブルドンチケットの遅配から始まった。
年明けの1月にはチケット予約をした。 日本にオフィスを持つエージェントは、驚くほどの高額だったため、スイスに本社のあるイギリスの会社で手配するが、6月20日には届くはずのチケットがなかなか届かない。 ライブイベントのチケット販売などで世界最大の流通マーケットとうたうこの会社を信用して発注したが、問い合わせても 「ただ今 配送中なので間もなくお手元に届きます」 としか連絡がない。 しかもチャットのみである。 出発の日も間近に迫り、追跡番号で調べてみると、品濃町以降の番地の記載漏れに加え、名前も間違えられていたため、宅配業者の支店に留め置かれていたことが判明した。 急ぎ業者に連絡して、やっと出発の3日前にチケットを手に入れることができた。
長期に留め置かれロンドンに返送されていたらどうなっていたかと思うと、怒りよりもチケットが無事届いたことにほっとする。 海外の業者は信用できないというのが複数の友人の話である。
6月29日
11:20am羽田発 ヒースロー空港3:50pm着。 空港で息子家族の出迎えを受け、滞在中お世話になる家に着き ほっとする。 皆の笑顔が嬉しく ホテルとは違ってやっぱり居心地がいい。
6月30日
息子家族の案内でグリニッジ天文台へ。 世界の標準時になる子午線は年代によって,あるいはその正確性によって何度も変更されたという。 子午線を跨いでの写真は良い記念になった。 グリニッジ桟橋から船でウエストミンスターまでテムズ川を上った。 伝統ある建物や超近代的な建物が次々と現れるなか、イギリスがEU離脱の問題でスッタモンダしていることもすっかり忘れてロンドンの中心街をのんびりと水上から楽しむことができた。
7月1日 ウインブルドン初日
Ealing Common 駅 - Earl’s Court駅 – Southfields駅(地下鉄で 約35分) 駅から徒歩15分
ウインブルドン観戦は2度めだが、テニスの聖地で日本人を応援出来ることの喜びに、ドキドキが止まらない。 開場の1時間前の 9:30 に到着するが、チケットが遅配されたこともあり、チケットが周りの人と同じであることを確認して一安心する。 センターコートの第1戦は13時からのジョコビッチ戦。 開始まで時間があったため、15番コートで行われていた西岡良仁 と J ティプサレビッチ(セルビア)戦を応援に行った。 結果、西岡は負けてしまったが、フルセットまでよく頑張ったと思う。
13時からのセンターコート第一試合は、大観衆の見守る中 ジョコビッチ(セルビア) vs コール シュライバー(ドイツ)戦で始まった。 さあ、いよいよ始まる!! サービス前にボールを芝に弾ませる音が会場全体に響き緊迫した空気がいっそう張り詰める。 一打ごとに歓声とため息が入り混じり、センターコートを揺らす。 試合は予想どおりジョコビッチがストレートで勝利し、おなじみのガッツポーズに観衆は総立ちで拍手を送った。
第2戦は、大坂なおみ vs Yブチンツェワ(カザフスタン ロシア出身)。 大坂は、応援のかいなく負けてしまったが、次を期待しよう。 追われる立場は辛いものだ。
第3試合のエドマンド(イギリス) vs Jムナル(スペイン)は地元のエドマンドの勝利。
大坂なおみが敗れたので、翌日の第一試合に組み込まれた錦織の試合を応援するため、想定外の計画を立てることになる。
7月2日 ウィンブルドン2日目
当日の希望のチケットを手に入れるためには、始発電車が到着する前(日の出前)に着いて列に並ばなければならない。 夜も明けぬ 3:20 にタクシーで家を出てウインブルドン着4:00。 日中30度近くになるロンドンも早朝の気温は10度である。 周りの人たちは準備万端、毛布をかぶったりそれなりの装備をして並んでいるが、こちらは嫁から借りたダウンコートを着てもまだ寒い。 そんな努力の結果、前日からテントで並んだ人たちを加えても1596番、1597番目を獲得することができた!!
7:30ごろ係員が現れセンター、No.1、No.2コート用のリストバンドを配布していくが、人気のセンターコートから予約されていく。 当日の試合予定をスマホでチェックするが、SIMカードの調子が悪く、どのコートで誰が試合するのかが分からない。 仕方なく、入念にチェックしている日本人に習い No.2コートをゲットする。 やがて、のろのろと列が動き始めるが、券売機でトラブルが発生しさらに長々と待たされる。 錦織の試合が行われる12番コートに到着したのは、試合開始の10分前だった。 今回もぎりぎりセーフである。 どんなに並ぼうともどんなに待たされようともお天気に恵まれ、2日目のチケットもゲットできたことに感謝である。
錦織 vs Tモンティロ(ブラジル)
錦織の快勝を喜び、軽めのランチをとる。 その後、6番コートの内山を応援するが、途中腹筋を痛めインジュリータイムを挟んだため、2番コートで行われていたシャラポワを観に行く。 ただ、その不人気と途中棄権は残念だった。 この日もフルにウィンブルドンを楽しみ帰途についた。
7月3日 4日 ナローボート
Marylebone から Chiltern railwayでBarmingham Moorを経て乗り換えstMidland TrainでKidderminster駅に向かう。 車窓の景色は、のどかでもあり寂びれた感じでもあり、かつての大英帝国の栄光が感じられず、イギリスの地方のこれからが案じられた。
Kidderminster駅には、ナローボートでお世話になるブラウン夫婦が迎えに来てくれていた。 ネットでいろいろ読んでいたこともあるが、初めてお会いする気がしなかったのは、お二人のお人柄のせいもあるのだろう。
【ナローボートの案内より】
ナローボートとはイギリスには3500kmにも及ぶ内陸水路のネットワークを行きかうホテルボートのことです。 約200年前、産業革命時に運搬手段として時代を支えた内陸水路、蒸気機関車の出現とともに忘れられていましたが、カントリーサイドと古いものが大好きなイギリス人の手で甦ったのです。雄大なテーマパークのようにも見えるイギリス運河ですが、あらゆるところに歴史の足跡が見え隠れして、見学だけでなく、実際に手で触れ体験できる特別な空間になりました。
英国人ご自慢の「緑と歴史に満ち溢れる田舎」を英国独特のナローボートでゆっくり旅してみませんか?
ブラウン夫妻が長年かけて改装した真っ赤でおしゃれなナローボートは、宿泊してみると、なかなか考えられたコンパクトな構造になっている。 Kidderminsterを出て、のんびりと田園風景を楽しみ、ロックを4つ下りStourport in Seven で停泊し、お奨めのパブでカントリーディナーを堪能する。 翌日は同じ航路を戻り、昼頃 Kidderminster に到着した。 人の歩くスピードより少し速いぐらいのスピードでゆったり進むボートを、サイクリングの人たちが風をきりながら 「ハロー!!」 「ハブ ア ナイスデイ !!」 と声をかけ楽しそうに追い越していく。 川の水面には新緑の木々が映りこみ時の過ぎるのを忘れるほどである。 クロスする鉄橋の上では蒸気機関車の乗客が、手を振りながら通り過ぎていく。 究極のスローライフである。