2024年4月 「三国志」

テニスをやめてからWOWOWでテニス観戦するのが習慣になった。1月中旬の全豪オープン、5月下旬の全仏オープン、6月下旬のウィンブルドン、8月下旬の全米オープンの四大大会以外でも時差を気にしなければほぼ一年を通して試合を楽しむことができる。

 

日本人選手のダニエル太郎、西岡良仁、大坂なおみなども1・2回戦負けが多く、なかなか成果が出せていない。かつて世界ランキング4位だった錦織圭も怪我の回復が遅れていて残念だ。そこで、イタリアの若手のホープシナ―、ギリシャの貴公子チチパス、GS優勝を期待されているドイツのズべレフ、少年時代から応援しているオーストラリアのデ・ミノー、怪我の復帰後に今季限りの引退を表明しているスペインの英雄ナダルなど・・・グローバルに応援しながら楽しむことにしている。

 

テニス観戦をするうちにオンデマウンドでドラマや映画も観るようになった。日本の作品に比べ海外のドラマはスケールが壮大で面白い。日本のドラマには面白いものが少ないと思っていたが、「文化時評」によるとドラマ制作費で米韓(中)とは圧倒的な差があるという。中国の歴史時代劇である「永楽帝」「康熙帝」「三国志」などはそのスケールの大きさに圧倒される。

 

「永楽帝」
明朝の太祖・朱元璋の四男で燕王の朱棣は、類まれな軍略家として成長する。太祖の崩御後に永楽帝となり、都を北平に遷都し明朝繁栄の礎を築く。


「康熙帝」
黄河を治めた清の皇帝康煕帝と治水に奔走する男たちの壮大な物語。不正や汚職のはびこる朝廷で、治水の大工事に挑む姿が圧倒的スケールで描かれている。

 

「三国志」

180年頃 - 280年頃の100年の亘る後漢末期から三国時代にかけて群雄割拠していた時代の諸国の興亡の歴史。中心になった蜀・魏・呉の三国が争覇した三国時代について描かれている。

 

三国時代に興味はあるものの、登場人物が多過ぎてよく理解できずにいたが、図書ボランティアの本棚で、世界の教養をストーリーで学べると銘打ったマンガ「三国志 I 劉備と諸葛孔明」「三国志 II 赤壁の戦いと三国の攻防」を見つけた。これは吉川英治原作の「三国志」を石森プロが漫画化したものだ。歴史は勝者によって造られると言われるが、群雄割拠時代の殺戮の多さと王朝交代が嘘と騙しにより創られて来たという歴史は事実なのだろう。マンガのお陰で三国時代を大まかに把握することができたのはうれしいことだ。中心人物は劉備玄徳と諸葛孔明である。

 

【劉備玄徳】
劉備玄徳(161年- 223年) 後漢末期から三国時代の武将、蜀漢の初代皇帝。
黄巾の乱の鎮圧で功績を挙げ、その後は各地を転戦した。諸葛孔明の天下三分の計に基づいて益州の地を得て勢力を築き、後漢の滅亡を受けて皇帝に即位し蜀漢を建国した。その後の蜀、魏、呉による三国鼎立の時代を生み、どのような身分の人も差別せず貧困者には経済的支援をするなど、人々から慕われるリーダーになっていく。劉備は諸葛孔明の案により「天下三分の計」を実行すべく曹操と戦うことになるが、『三国志』でも有名な赤壁の戦いへと繋がっていく。


赤壁の戦いに勝利し、荊州の支配権を握って独立を果たし、時代は三国時代に入る。 221年、劉備が60歳を迎える頃に群臣たちに推挙され、蜀漢を建国し初代皇帝の座つくが 、呉国の裏切りに遭い大敗して62歳で亡くなる。

 

【諸葛孔明】
諸葛孔明(181年-227年)山東省で生まれ、聡明として知られる。 207年、知略に富んだ者を探していた劉備が訪ねてくるが、留守にしているにも関わらず自ら3度も訪れてくれたことに感激して劉備の家臣となり「天下三分の計」を説く。

 

赤壁の戦いの交渉により孫権と同盟で結び、曹操軍に大勝した劉備は天下への第一歩を踏みだす。 蜀を手に入れ知将として活躍した孔明は、劉備から軍師将軍、左将軍に任じられ、軍政と人事を担当することになる。

 

221年、劉備が蜀の帝位につき、孔明は丞相(政治を担う最高責任者)に任命される。劉備が亡き後は、息子の劉禅に忠義を尽くす。 227年、蜀の国力回復に成功した孔明は、漢を再興するために魏との戦いに挑むが、魏を滅ぼすまでにはいたらず、5回目の五丈原の戦いで病に倒れて亡くなる。

 

マンガを侮っていたけれど マンガの力はすごい!!