2024年10月 「今日が一番若い日」

27日に衆議院選挙が行われ、自民党が大敗した。
就任の前と後とで一貫性を欠く石破茂首相の言動は信じがたいものだった。争点だった政治と金にはあいまいに幕が引かれ、論戦を避けるように国会は突然に解散された。政局はこれから一気に流動化するが、流れる着く先はどこになるのだろうか。

 

ダ・カーポのコンサートにお誘いを受けて出かけた。

タイトルは「未来への贈り物」 ― 今日が一番若い日 ―


ダ・カーポは榊原まさとし・広子夫婦と娘のフルート奏者麻里子の3人で構成されているが、会場に入りパンフレットを開くと、ギター奏者のまさとしが体調不良で出演できなくなったとのお詫びのメッセージが挟まれていた。 9月に心臓の不整脈が原因で手術をしたがまだ体調が万全ではなく、ドクターストップがかかっているとのことだった。

 

童謡やスタジオジブリのトトロやラピュタ、「宗谷岬」や「結婚するってほんとですか」など懐かしい曲のメドレーを楽しんだが、演奏会の後半、本日のスペシャルゲストで~す!!とのコールで、なんとまさとしが登場した。拍手喝采の中、「今日が一番若い日」が歌われた。  その歌詞は


今日が一番若い そう生きている限り
今日が一番若い ほらあなたも私も
遠くは見えないけど 近くの幸せ見つけた
遠くは歩けないけど 足元の春に気づいた
人の名前が思い出せない だけどイヤなことも忘れた
後悔はあり過ぎて 今はどうでもいい
泣いても笑っても悩んでも
今日が一番若い まあちょっとキツイけど
今日が一番若い でも無理はしないで
一番大切なもの あなたがくれるその笑顔
これからはもう我慢しないで やりたいことやりましょう
枯れ木とあきらめないで パット花を咲かせましょう
今日も 明日も あさっても
だから今日を精いっぱい 生きてゆきましょう
今日が一番若い イエイ! 恋をしましょう
今日が一番若い ワオ! ときめきましょう
そう 生きている限り

 

人生の終盤を迎える人への応援歌だ。なるほどそうだと思いながら、医者でありエッセイストの久坂部羊の著書「人はどう老いるのか」を思い出した。
『いつまでも元気で長生きというのは、多くの人が求めることですが、ここには論理矛盾があります。長生きするということは、すなわち老いるということで、老いれば元気ではいられないのです。老いれば機能が劣化する分、あくせくすることが減ります。あくせくしても仕方がないし、それで得られることも大したものではないとわかりますから。そういう知恵が達観に通じるように思います。

・・・実は今がいちばん幸せ・・・
幸福な人は文句を言いません。幸福かどうかは自分が感じることですし、すべては比較の問題ですから、どんな状況でも人は幸福にも不幸にもなるのです。実は今がいちばんなんだと気づけば、これからどう老いるべきかということも考えずにすむでしょう。』

 

コンサートはアンコール曲「野に咲く花のように」で閉めくくられた。この日は、それぞれが心に温かい贈り物をもらって会場を後にした。