お墓参りを兼ねて金沢に出かけた。
1日目:ひがし茶屋街 近江町市場
【ひがし茶屋街】
石畳の道に町家が並びむかしの風情が残るひがし茶屋街は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、加賀の文化を伝えている。そぞろ歩きを楽しみ「MACCHAHOUSE 金沢ひがし茶屋街」では桝に入った抹茶ティラミスをいただいた。
【近江町市場】
晩秋の日の暮れは早く、夕闇の中茶屋街を後にして近江町市場へと向かった。生鮮品を扱う店は殆ど閉店していたが、鮮魚通りにある加賀おでん「あまつぼ」で、定番の車麩、源助大根、香箱蟹を使った「かに面」など加賀おでんを堪能した。
2日目:レンタカーを利用してお墓参りや山代温泉
【お墓参り】
野町に住む墓守さんから「墓地のある野田山は熊情報もでている」と聞いていたので、墓地の近くまで行き、車を降り墓の方角に向かい手を合わせた。そのあと、もう一つの墓所である全昌寺墓地を訪ねた。全昌寺は曹洞宗の寺で36代阿部信行内閣総理大臣も眠っているが、現在残っているのは寺の玄関のみで住職もおらず、墓地の管理が行き届いておらずあちこち草ぼうぼうなのが悲しい。
【金沢大学資料館】
兼六園隣にある旧制四高(義父の母校)の資料館を訪ねたが、赤レンガ造りの歴史的な建物は能登地震で被災し修繕工事中だった。館内の資料は金沢大学に移されていると聞き、角間にあるキャンパスを訪ねた。以前、金沢大学は金沢城址にある世界的にも珍しい城郭内のキャンパスだったが、手狭になり郊外の広大な角間キャンパスに移転したという。大学の資料館は思いのほか小さく、探していた義父の写真を見つけることは出来なかった。
【山代温泉】
山代温泉には二つの公衆浴場「古総湯」と「総湯」がある。一つは「古総湯」と呼ばれ、明治時代の総湯を復元しもので、「湯あみ」という温泉に浸かって楽しむという当時の入浴方法が伝わっている。もう一つは「総湯」で、加水なしの100%源泉。泉質はナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉の混合湯で透明で無臭だが、湯上りの肌はすべすべだ。
那谷寺(白山信仰自然智ノ森)
前田利常により再建された高野山真言宗派の寺。三門をくぐると左手に金堂華王殿、さらに紅葉の参道を進むと奇岩遊仙境、奥の階段を上ると大悲閣(本殿)が現われる。春は花、夏は緑、秋は紅葉、冬は水墨画の世界が広がる。それぞれの季節を愉しめる。
【近江町食堂】
「昭和5年の創業以来、〝美味しい料理をお腹いっぱい召し上がってもらいたい〟という想いから、市場で仕入れる新鮮な食材を用いた逸品をご提供し続けています。」とある。古いながら活気のある店で、地元の人にも愛されている。店一番人気の海鮮丼など旬の魚を心ゆくまでいただいた。地場の海鮮は美味しく、自宅に戻ってからスーパーの魚に手が出ない。
3日目 金沢城公園 兼六園 21世紀美術館 県立図書館 成巽閣
【金沢城公園】
天正11(1583)年、前田利家により本格的な城づくりが始められた。宝暦9(1759)年の火災では、城のほとんどを焼失したが、その後の再建では、実用性を重んじ、二の丸を中心とした整備が行われた。現存する石川門は、天明8(1788)年に再建されたもの。 平成30年から復元中の二の丸御殿は、城の中心的な建造物で金沢城復元の総仕上げとも言えるが、今回は修復中で、次回訪れるのが楽しみだ。
【兼六園】
17世紀中期、加賀藩によって造営された「大名庭園」を起源とする池泉回遊式庭園で日本三名園の1つとなっている。園名は、松平定信が『洛陽名園記』を引用し命名された。四季それぞれに趣が深いが、雪つりを施した唐崎松の緑と赤く染まる紅葉のこの時期も素晴らしい。
【21世紀美術館】
現代アートを見て、触れて、感じる!まちに開かれた美術館。 金沢21世紀美術館の代名詞ともいえるのが、レアンドロ・エルリッヒ作の恒久展示作品《スイミング・プール》。地上から見ると、プールの水底に人がいるように見え、地下部はプールの水中に入り込んだような不思議な感覚を体感できる。
【県立図書館】
図書館のHPには「めくりめぐる知と未来。今日あなたがめくった知は、やがて誰かの知となり、新たな未来を育んでいく。思いもよらない本との出会いや体験を通して人が成長し、可能性が年輪のように重なり広がる場所へ。図書館が起点となり、「ひとり」から石川へ。世界へ。未来へ。知が無限にめくり、めぐっていく。そして知はまた、あなたのもとへ。」とある。 こんな素敵な図書館に出会えてよかった、ポルトガルにある世界遺産の美しいコインブラ大学のジョアン5世図書館を思い出した。
【成巽閣】
13代藩主前田斉泰が母真龍院のために建てた隠居所。大名書院造りと数奇屋風書院造りの二つの様式を持つ建造物は風格ある佇まいが印象的で、国の重要文化財となっている。「群青の間」は鮮やかな群青色で染められていて、花鳥の意匠や豊かな色彩に溢れた建物内は、母への思いが偲ばれる。美しい庭園は国の名勝に指定されている。
旅の最後に成巽閣を訪れ、お腹と心をいっぱいに満たして帰途に就いた。
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