荏柄天神社

杉本寺 参道

杉本寺は、十一面観音で知られている天台宗のお寺です。開山は行基で、坂東三十三観音の一番札所です。

 

源頼朝入府以前から鎌倉にあった数少ない社寺で、鎌倉最古の霊場といわれています。 1191年に頼朝が、1212年には実朝が参詣しています。

仁王門

仁王門と阿形吽形一対の赤い仁王像です。

 

松本たかし「杉本寺」より

「敷石を踏んでちょっとゆくと石段で、その上に仁王門があり、さらにその奥に、高くまっすぐに本堂への階段が続いている。山門で四角に仕切られている故か、その向かふの石段には、非常な奥深さと高さを持った立体的な構造に見え、妙に森と静まり返っている。その額縁をとった景色の端っこへ鮮やかな緑色の芭蕉の葉が一枚、ひょういと差し出している。・・・」

階段

苔むした石段の奥に観音堂の茅葺の屋根が見えます。

 

松本たかしは、能役者でしたが高浜虚子に師事し、ホトトギスの同人となり、鎌倉の俳句を数多く詠んでいます。

 

松本たかし句集より

  杉本寺 まつくらがりの 秋の風

  蜩(ひぐらし)や 杉本寺の あさゆうべ

弁財天

階段の右手には、大蔵弁財天が祀られています。

大蔵弁財天左脇には弁天池があります。

石塔

 坂上の本堂左に石塔があります。

本堂

本堂に安置されたご本尊の十一面観世音菩薩像は五体です。中央が慈覚大師、右が恵心僧都で重要文化財に指定されています。左側のご本尊は行基菩薩作と伝えられており覆面観音と呼ばれています。

 

三体のほか、源頼朝より寄進された運慶作のご本尊前立などを加えると、計五体の十一面観世音菩薩像が祀られています。

 

覆面観音と呼ばれる由来
門前の街道を馬で通ろうとすると必ず落馬してしまうので、建長寺の大覚禅師に観音像に覆面をしてもらったところ、落馬者がいなくなったことによります。

鐘楼

 本堂の右後方に、鐘楼があります。

五輪塔

本堂の右にある五輪塔群です。

 

この場所は杉本城の一部であった時期がありました。南北朝の争乱期に南朝方の北畠顕家に攻め寄せられ自害した斯波家長など、多くの武士の魂を鎮めるため建てられたものです。

七地蔵

五輪塔群の左に七地蔵堂があります。

六地蔵の右端は「身代地蔵」です。「身代地蔵」のほか、本堂には「尼将軍地蔵」が安置されています。

石の洞 稲荷

七地蔵堂の左には石の祠があり、お稲荷様が祀られています。

権現堂

右奥には権現堂があり、熊野権現と白山権現が祀られています。

 

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